預貯金の凍結防止
相続が発生すると、
亡くなった人の預金口座は凍結され、
遺産分割協議が成立するまで、相続人による預金の引き出しだけでなく、
公共料金等の引き落としもできなくなってしまいます。
本人の預金を、信託により受託者名義の信託専用口座に移しておけば、
委託者の死亡によりその口座が凍結されることはないので、
煩雑な相続手続をすることなく、その預金を使うことができます。
空き家対策
亡くなった方の財産について遺産分割協議が行われず、
その方が住んでいた家が空き家になったまま、
誰も管理することなく、長期間放置されたままになることもあります。
本人が、生前に家を特定の相続人に信託しておけば、
本人の死亡後、その相続人が管理・処分することになるので、
上記のような事態を未然に防ぐことができます。
再婚夫婦の自宅不動産
再婚した夫が、前妻との間の実子がいる場合、
自分の死後、自宅不動産を、ゆくゆくは実子に継がせたいが、
妻が生きている間は、妻が自宅に住めるようにしたいという場合があります。
このような場合、
①夫が自宅不動産を実子に信託し
②自分の生前は、自分が受益者として妻とともに使用し
③自分の死後は、妻を受益者として使用させ
④妻が死亡した時に、信託を終了させて、同不動産は実子に帰属させる
という方法で、本人の意思を実現することができます。